
3年『探究』の授業では、生徒自ら課題を設定し、その解決方法等を模索する探究活動を展開しています。
3年2組には“広島県発祥のスポーツであるエスキーテニスの普及”に関する探究活動に取り組んでいる生徒が3名います。彼らは2年次からこの課題に取り組んでおり、昨年度は広島市立彩が丘小学校の子ども達に対する競技普及活動に取り組みました。本年度は、県外での競技普及活動を探究テーマと設定し、競技紹介オリジナル動画の作製等に取り組みました。


エスキーテニスは、1945年8月6日の原爆投下が契機となって誕生したスポーツであることから、競技としてだけではなく、平和教材の1つとしても教育現場において活用されています。3名の生徒は同じ被爆地である長崎県の小学校児童を対象とした競技普及活動及び平和学習を計画しました。今年の4月以降、エスキーテニスの歴史、競技紹介、ルール等を紹介する3本の活動用のオリジナル動画を作製しました。長崎県の小学校を対象とした活動を計画したものの、エスキーテニスに関する探究に取り組む生徒は3名しかいません。そこで、長崎県内において比較的児童数が少なく、平和学習にも注力されている小学校での活動を模索しました。様々な小学校を調査した結果、長崎市立外海黒崎小学校に辿り着くことができました。外海黒崎小学校に普及活動の実施協力をお願いしたところ、ご快諾をいただくことができました。3年2組には“小学校給食”に関する探究活動に取り組んでいる生徒が1名おり、その生徒も合わせた計4名の生徒が小学校を訪問し、14名の第3・4学年の子どもたちを対象としたエスキーテニス普及活動及び給食探究活動を実施することとなりました。


12月18日、新幹線、特急、西九州新幹線、バスを乗り継いで、外海黒崎小学校に到着。小学校の前には水平線が広がっていました。到着と同時に4名の生徒は、体育館内に3面のエスキーテニスコート作りました。教室に移動し、エスキーテニスと平和、競技ルール、広島原爆と小学校給食に関する講義を子どもたちに行いました。給食を子どもたちと食べた後、昼休みにはドッジボールを楽しみました。午後からはエスキーテニスの体験会を実施しました。子どもたちは木製のラケットと羽の付いたボールに戸惑いながらも、エスキーテニスを楽しんでくれました。生徒達が帰る際には、子どもたちが正門で待ってくれていて、
「ありがとう、また来てね」
「広島に行くわ!」
などと声をかけてくれました。競技普及及び給食調査を目的とした小学校訪問でしたが、活動を通して、生徒達は多くのことを学ぶことができました。今後も『探究』の授業では、生徒自身に様々な課題の解決に取り組ませ、自らの探究力の向上を図らせていきます。

本活動にご協力いただきました、長崎市立外海黒崎小学校の先生方ならびに児童の皆さん、そして長崎市教育委員会の皆さまに、心より御礼申し上げます。
