「なぜ〇〇は□□と考えるようになったのだろうか。」
「この場面で△△という表現が使われている理由は何だろうか。なぜ☆☆ではいけないのか。」
普段から様々な授業の中で生じる問いは教員が「これを伝えたい」「このような力を身につけさせたい」と考え、その想いを伝える手段として発信されます。
その問いの答えは、時にはすぐに導き出せるものもあれば、場合によっては時間をかけて、そして仲間とともに最適なものを見つけなければならないこともあります。
冒頭の問いは、現在、高校1年生の一貫コースの英語コミュニケーションⅠの授業で実施している課題学習の中で、生徒たち自身が仲間たちへ向けて発問した問いの一部です。
授業では日頃から、英文を日本語に訳し、文法や単語、表現を確認するといった、いわゆる「オーソドックスな授業」を展開することは最小限に留め、英文を短文ではなく、段落ごとに捉え、俯瞰的に全体を考える授業を心がけています。
この学習活動を通して、生徒たちは細部を丁寧に読み解くだけでなく、全体から背景知識や情景を理解する力を身につけることができます。
今回、生徒たちは夏休みを通して、教科書のレッスンを1つ、4人グループに分かれ、それぞれが考えたこと、調べたこと、そして理解したことを仲間たちに伝え、また互いに問いを立て、その答えを導くための課題に取り組みました。
そしてそれを基にした、生徒が教師として仲間に教え、伝えるという活動を行いました。
自ら学び、理解し、知識を蓄えることは容易であっても、他人にそれを伝えることの難しさは計り知れなかったようで、それぞれが苦労しながらも工夫して懸命に取り組む姿がありました。
しかし、何かを伝え、それを理解してもらえた時の達成感を感じたときの生徒たちの顔には、満足感にあふれる笑顔が見られました。
教えるということは、学び、伝え、広げるということ。
本校の教育目標である「グローカル・イノベーション・リーダーの育成」では、このような力を育成することも目標の一つとしています。
また、仲間と協力して一つの目標を達成することは「協働学習」であり、本校の校名でもある「協創(協-ともに-創-つくる-)」にも通ずるものがあります。
今回の学習活動がまた一つ、生徒たちへの成長へとつながってくれたら幸いです。